不動産会社にとって、集客や成約のスタイルは大きな変化を迎えています。特にコロナ禍以降、「現地に足を運ばずに物件を確認したい」というニーズが急増し、注目されているのが 「動画内見サービス」 です。
移動時間や感染リスクを気にせず、物件の雰囲気をリアルに体感できるため、遠方の顧客や忙しい共働き世帯からの支持が高まっています。
しかし多くの不動産会社からは「動画を作ってもポータルで見られて終わり、問い合わせにつながらない」「撮影や編集にコストがかかりすぎる」という声も聞かれます。
本記事では、動画内見サービスを導入する背景とメリット、さらに 低コストで自社運用するための工夫 を交えて解説します。
CONTENTS
1. 背景と必要性
顧客ニーズの変化
近年の住まい探しは大きくデジタルシフトしています。特に以下のようなニーズから動画内見の需要が高まっています。
- 遠方からの移住希望者:現地まで行く交通費や時間を節約したい
- 共働き世帯:休日に何件も回るのが難しい
- 海外や地方から進学する学生:契約前に少しでも生活イメージを持ちたい
こうした層にとって、動画内見は「手軽に現地の空気感を確認できる手段」として欠かせない存在となっています。
不動産会社側の課題
従来は1件ごとに現地案内を行う必要があり、移動や接客に多くの時間を割いていました。
動画内見を活用すれば 「事前にある程度絞り込んでもらえる」 ため、効率的な営業活動につながります。加えて、動画を資産として蓄積することで「来店がなくても成約」するケースも増え、成約率改善や新しい顧客層の獲得に直結します。
2. 動画内見サービスのメリット
顧客にとってのメリット
- 移動コスト削減:現地に行かなくても雰囲気を確認できる
- 効率的な比較:短時間で複数物件をチェック可能
- 安心感:写真だけでは分からない「部屋の奥行き」「周辺環境の音」なども把握できる
不動産会社にとってのメリット
- 業務効率化:来店前に物件を絞り込めるため、無駄な案内が減る
- 差別化要素:他社サイトと比べて「動画がある」ことで信頼性が高まる
- 新規顧客獲得:遠方顧客・外国人・学生など新しいターゲット層にリーチ可能
成約率への効果
動画を見てから来店する顧客は、すでに物件に強い関心を持っているケースが多いため、成約率が高い傾向にあります。実際に「動画で雰囲気を確認した後に現地を訪れ、即決」というパターンも珍しくありません。
3. コストをかけずに自社運用する方法
「動画制作はコストがかかる」という先入観から導入をためらう不動産会社は少なくありません。ところが、工夫次第で十分に低コスト制作、運用が可能です。
スマートフォン撮影を基本に
最新のスマートフォンであれば、フルHD〜4K画質の撮影が可能です。さらに1万円前後のスタビライザーを使えば、滑らかな映像を簡単に撮れます。
無料〜低価格の編集ツールを活用
CanvaやCapCutといった無料編集アプリを使えば、テロップや音楽を直感的に追加できます。大規模な外注に比べて大幅にコスト削減が可能です。
撮影素材の使い回し
同じ素材を「ショート動画(SNS集客用)」と「詳細動画(物件ページ用)」に編集すれば、1回の撮影で複数のチャネルをカバーできます。
スタッフによるナレーション
外注ナレーションは費用がかさみます。現場スタッフが一言コメントを添えるだけで、リアリティや親近感を演出できます。
物件登録フローに組み込む
「物件を登録する際は必ず動画も撮影する」というルールを社内に定着させれば、自然と動画資産が蓄積されていきます。これにより、運用の追加負担を最小限に抑えられます。
4. 成功事例
事例1:東京都の賃貸仲介会社
大学生向けの賃貸仲介を行うA社では、遠方の学生が進学に伴い部屋を探すケースが多いにもかかわらず、現地内見が難しい課題がありました。そこで、物件ページに動画内見を導入。
「駅から物件までの徒歩ルート」「部屋のドアを開けてからの導線」を動画で紹介したところ、学生本人だけでなく保護者からも高評価を得ました。結果、動画経由での問い合わせ率が従来比1.8倍となり、契約件数も増加しました。
事例2:大阪府の法人向け不動産会社
転勤族を中心に法人契約を取り扱うB社では、赴任前の社員が物件を選ぶ際に時間が取れないケースが課題でした。そこで法人顧客向けに「候補物件の動画リンク」を提供。
人事担当者がまとめて社員に提示できるようにした結果、内見に同行する回数が半減し、法人顧客からの信頼度が大幅に向上しました。
事例3:福岡県の戸建販売会社
新築戸建の販売を手掛けるC社は、モデルハウスの来場数が頭打ちになっていました。そこで公式サイトに動画内見ページを設け、モデルハウスの全室をオンラインで公開。
さらにSNS広告と連携して動画を配信した結果、動画閲覧後の来場率が向上し、成約率は従来の1.5倍に上昇しました。
事例4:愛知県の不動産会社
D社は動画内見をSNS集客と組み合わせて運用。TikTokやInstagramで短尺動画を配信し、詳細は物件ページで閲覧できる導線を設けました。結果、SNSからの流入が前年の2倍に増え、若年層の問い合わせ数も大幅に増加しました。
事例5:神奈川県の不動産会社
既存顧客のフォローに動画を活用したE社は、過去に来店したが決定に至らなかった顧客へ「おすすめ物件の動画リンク」をメール配信。
動画を見た顧客の再来店率が30%向上し、休眠顧客の掘り起こしにもつながりました。
事例6:京都府の不動産会社
留学生を対象とした仲介を行うF社では、海外からの問い合わせが多く現地内見が不可能なケースが多数。そこで英語字幕付きの動画を制作し、自社サイトで公開。結果、海外からの直接契約が増加し、留学生市場での強みを確立しました。
5. 導入・運用手順
(1)撮影準備
スマートフォン+スタビライザーを活用し、自然光を意識して撮影。部屋の広さや日当たりを体感できるカットを中心に構成します。
(2)動画編集
短尺(15〜30秒)はSNSや広告用、長尺(2〜3分)は物件ページ用と分けて編集。無料ツールを活用すれば社内でも十分対応可能です。
(3)サイト連携
物件ページに埋め込み動画を配置し、動画直下に「この物件を問い合わせる」ボタンを設置。動画を見た熱度の高いユーザーを即座に誘導します。
(4)更新運用
物件登録時に動画も同時に撮影するルールを設けると効率的。最新の空室状況を反映させることで信頼性を高められます。
(5)SEO・SNS戦略
「地域名+動画内見」「物件名+内見動画」などの検索キーワードを意識しつつ、SNSで拡散。SEO流入とSNS流入を掛け合わせて集客を最大化します。
6. 動画内見から問い合わせにつなげる施策
明確なCTA設置
動画の最後に「詳しくはこの物件の詳細ページへ」といったCTAを配置。視聴後すぐに行動を促すことで取りこぼしを防ぎます。
会員登録・資料DLとのセット化
フルバージョン動画や詳細資料は会員登録や、公式LINEのお友だち追加後に提供する仕組みにすることで、リード獲得に直結させます。
Web接客ツールの活用
TETORIなどのWeb接客ツールを活用し、一定時間動画を視聴したユーザーに「最新空室情報を問い合わせる」ポップアップを表示。検討度の高いユーザーを逃さず囲い込みます。
関連物件への誘導
動画下に「この物件に似たおすすめ物件」のリンクを設置し、滞在時間を延ばして複数候補を比較してもらう。結果的に問い合わせ率が向上します。
リマーケティング広告
一度動画を見たユーザーにSNSやGoogle広告で再アプローチ。「先日ご覧になった物件の最新情報」といった訴求は効果的です。
7. 導入チェックリスト
- 動画は最新情報を反映しているか?
- 撮影・編集は低コストで継続可能な体制になっているか?
- 顧客が知りたい情報(部屋の広さ、日当たり、周辺環境)が含まれているか?
- 動画の下に問い合わせフォームや来店予約ボタンを設置しているか?
- 動画視聴者にリマーケティングを行っているか?
8. まとめ
動画内見サービスは、今後の不動産業界において 「顧客満足度の向上」と「営業効率化」 を同時に実現できる強力な手段です。
低コストで自社運用する工夫を取り入れれば、中小規模の不動産会社でも十分に成果を出せます。さらに、動画視聴後の導線設計を工夫すれば、問い合わせ率・成約率の改善にも直結します。
株式会社リグネットでは、サイト導線設計、問い合わせにつなげる仕掛けまでワンストップでサポート可能です。ぜひお気軽にご相談ください。

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