モデルルームの見学は成約への重要なステップですが、忙しい顧客や遠方在住者にとって来場はハードルが高いものです。近年、不動産会社では「バーチャルツアー」を活用し、自宅からでも臨場感ある見学体験を提供する動きが加速しています。
本記事では、導入背景から成功事例、そして実際の導入手順までを詳しく解説します。顧客満足度とUX向上を両立するためのポイントを、成功事例と失敗事例の両面からご紹介します。
CONTENTS
導入背景と必要性(市場環境の変化・課題)
住宅購入検討者の情報収集はオンライン中心に移行しています。特に新築・分譲マンション市場では、ポータルサイトや公式サイトの間取り図や写真だけでは物件の魅力を十分に伝えきれないという課題がありました。
また、モデルルームへの来場は移動や日程調整が必要で、コロナ禍を経て「まずはオンラインで見たい」というニーズが急増。実際、ある調査では「物件検討の初期段階でオンライン見学を希望する」と回答した人は全体の65%にのぼります。
バーチャルツアーはこのニーズに応えるだけでなく、遠方顧客や海外在住者へのアプローチにも有効。さらに、サイト滞在時間の延長や来場予約への誘導にも直結するため、不動産会社にとっては成約率向上のための強力な施策となります。
成功事例1:遠方顧客の来場予約率が2倍に
地方都市の分譲マンションを販売するA社では、公式サイトにバーチャルツアーを導入。関東圏・関西圏からのアクセスが増加し、遠方からの来場予約率が導入前の4.5%から9.2%に倍増しました。
撮影は4K対応の360度カメラを使用し、モデルルーム全体の導線を再現。さらに、ツアー内に「来場予約」ボタンを設置したことで、見学意欲が高まった顧客がその場で予約できる導線を実現しました。
成功事例2:TETORIで閲覧分析、重点フォローを実施
B社では、バーチャルツアーの閲覧データをTETORIで分析。同じ部屋タイプを複数回閲覧した顧客や、キッチン・収納スペースを重点的に見ている顧客を抽出し、営業担当が電話やメールでフォロー。
結果、重点フォロー対象の成約率は通常の1.8倍になりました。分析データをもとに、サイト内ポップアップで「類似間取りの新着情報」も配信し、再訪率を高めることに成功しました。
成功事例3:スマホ最適化で離脱率30%改善
C社は当初、PC向けに制作したバーチャルツアーをそのまま公開していましたが、スマホ閲覧時の操作性が悪く、離脱率が高いことが判明。
そこでスマホUIに最適化されたビューアを採用し、読み込み速度も短縮。これにより、スマホ経由の離脱率が46%から16%に改善しました。結果として、全体の平均滞在時間も約2分延び、物件への関心度が高まったことが数字にも表れています。
失敗事例1:更新放置で情報が古くなる
D社では、モデルルーム完成直後に撮影したバーチャルツアーをサイトに掲載しましたが、その後の家具変更や間取り修正を反映せず、1年以上放置。
来場した顧客から「実物と違う」という声が多く寄せられ、信頼を損ねる結果になりました。更新作業が撮影業者依存だったため、修正までに数週間かかり、鮮度の高い情報提供ができなかったことが原因です。
失敗事例2:画質・操作性の低下で離脱増加
E社は低コストを優先し、解像度の低い360度画像を採用。結果として拡大時に画像が粗く、インテリアや素材感が伝わらず、顧客満足度が低下しました。
さらに、操作性の悪いビューアを使ったことで閲覧完了率が40%を下回り、導入効果がほとんど得られませんでした。
失敗事例3:スマホ非対応でアクセスの半分を失う
F社はPC向けのバーチャルツアーのみを提供。アクセス解析では、サイト訪問の約60%がスマホ経由であるにもかかわらず、スマホ利用者はツアーを閲覧できずに離脱。
結果、来場予約数が導入前よりも減少するという逆効果を招きました。スマホ対応を後から追加しましたが、失った機会は取り戻せませんでした。
導入・運用手順
- 目的と対象顧客の明確化
新築販売か中古販売か、遠方顧客か近隣顧客かによって制作方針を決める。 - 機材・制作会社の選定
4K以上対応カメラ、またはドローン撮影の可否を確認。スマホ・PC両対応ビューア必須。 - 撮影前の演出設計
家具・小物の配置、照明の調整、季節感の演出を事前に計画。 - 編集とUI最適化
間取りマップや情報ポップアップを追加。スマホ操作の快適性を最優先。 - サイト組み込みとCTA設置
ツアー内に「来場予約」「資料請求」ボタンを埋め込み、行動導線を確保。 - 効果測定と改善
TETORIやアクセス解析で閲覧データを分析し、重点フォロー対象を抽出。
導入チェックリスト
バーチャルツアー導入前に、以下を満たしているか確認します。
まず、制作目的が明確であることが第一です。「来場促進」「物件理解」「遠方顧客対応」など目的が曖昧だと、コンテンツ設計もブレます。
次に、スマホ対応と高画質は必須条件です。低画質や非対応は導入効果を大きく損ないます。また、更新体制を事前に決めることも重要です。家具変更や間取り変更時に迅速に反映できる体制がないと、情報鮮度が落ち、信頼を失うリスクがあります。
最後に、効果測定ツールとの連携準備を整えましょう。閲覧履歴からホット顧客を抽出できれば、追客効率が大きく向上します。
今後のトレンド
1. AIによる自動ナビゲーション
顧客の興味を持ちそうな部屋や設備をAIが判断し、自動でツアー内を案内する機能が拡大。
2. メタバース型モデルルーム
VRゴーグルを使って複数人が同時にバーチャルモデルルームを回遊し、営業担当とリアルタイムで会話可能に。
3. CRM連動での追客自動化
閲覧履歴や滞在時間をCRMに反映し、Lステップなどで条件に合う物件情報を自動配信する仕組みが普及。
まとめ
バーチャルツアーはモデルルーム見学の体験価値をオンラインに移すだけでなく、顧客満足度とUXを高める強力な武器になります。
ただし、更新放置や画質・操作性の問題、スマホ非対応などの失敗事例も少なくありません。重要なのは、導入前に目的・体制・品質基準を明確にし、効果測定と改善を継続することです。
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